25 4月

アメリカでドローンを商用で飛ばすためにFAAのUAS(Unmaned Air System)の資格(part107)を取得

FAAのPart107の筆記試験に合格しました。アメリカ国内で商用目的でドローンを運用するにはPart107と呼ばれる試験に合格し、FAAに申請してUASパイロットの資格をもつ必要があります。

ホビーで飛ばすだけであれば、5ドルを払って登録するだけで飛ばすことができますが、写真を販売したり、ブログ記事やYoutubeにアップロードして広告が掲載されていたりすると商用とみなされ、FAAの調査員に調べられた場合後からでも罰金を払うことになるようです。「また何かを上げるからどこかの空撮して」など金銭のやりとりじゃなくても、何かの見返りにフライトする場合も商用のライセンスが必要だそうで、完全なレクレーション目的で飛ばす以外でアメリカでドローンを運用する場合、UASパイロットの資格がいると考えた方が良さそうです。

アメリカ国内でドローンを使った撮影がありそうなので、今回の受験に行ってきました。

試験問題は60問で70%以上で合格となります。3択問題がほとんどです。一度不合格になると14日間は再受験することができません。

今回は初回受験で82%で無事合格することができました。

練習問題ではほぼ満点だったため大丈夫だろうと思っていたのですが、新しい問題や引っ掛け問題が多く、思ったよりも難しかったので、これから受験考えている方はしっかりと勉強をして内容を理解してから受験した方が良さそうです。こちらの会場ではほとんどはローカルが受験して合格率は50%ぐらいと言っていました。

UASの試験では、既存の航空スペースの基本的な知識と安全に対する知識を問うもので、だいたい20時間ぐらいの学習が必要とされています。

レギュレーション:15-25%
天気データと理論:11-16%
機体性能:7-11%
エアスペース:15-25%
運用:空港での手順、緊急時、メンテナンス:35-45%

資格を受けるには16歳以上で英語の読み書き話す能力が必要で、心身ともに健康であることが条件とされています。英語の能力は、ドローンを運用するにあたって、エアトラフィックコントロールやFAA調査員との会話が必要になるためです。

試験勉強はFAAの公開している資料を一通り読んで理解し、過去試験問題を解いていきます。

十分勉強したら全米にあるCATSという試験センターに予約をして受験します。試験料は$150です。

受験には写真付きの身分証明書が2つ必要で、一つには住所が英語で記載されているものが必要です。パスポートと国際免許書など2つの写真付き証明書を持参しましょう。

試験はコンピューター上で行われ、同時に複数人受けてもそれぞれ異なる試験問題が出ます。試験会場には何も持ち込むことができません、メモ用紙、電卓、筆記用具、FAA図表の本、試験用のコンピュータが個室に用意されています。試験の個室ごとに上部からビデオで録画されており、不正防止の仕組みが導入されています。

所要時間は2時間。残り時間もコンピュータ上で自動的に表示され、15分前と5分前にアラートができます。

試験終了後にその場で合否の結果が表示されます。

問題は過去の問題がそのまま出ることもありますが、今回受験した時はほとんどが新しい問題でしたので、試験問題と回答の丸暗記ではなく、内容を理解して学習しておく必要がありそうです。

Airman Knowledge Testing supplement for sport pilotの本があり、問題に書かれた図表番号を見ながら回答します。

 

このような航空チャートを見て質問に答える問題がたくさん出ますのでチャートの見方は完璧にしておくと良いでしょう。

試験会場からはメモなど持ち帰ることはできません。

現在はUASパイロットの申請中。バックグランドチェックなどを行い問題がなければ10日ほどで仮のライセンス番号が発行されます。ライセンスは2年間有効です。

実際のライセンス証が届くのは1ヶ月くらいかかりました。

フライト保護エリアや空港管理エリアで飛ばす場合や、夜間のフライトなど、制限エリアや、特定の方法で飛ばす場合は別途で許可証が必要となり、こちらは90日前に提出する必要があります。

夜間飛行のWAVERを申請したところ無事90日程度で届きました。申請にはどのような飛行計画で、どのように安全を確保するかを具体的に書く必要があります。

アメリカでの商用でのドローンを使用するには十分に時間的な余裕を持った計画が必要です。

ライセンスを持ったパイロット(Pilot in command = PIC)はフライトに関するすべての責任を負う必要があります。

またPICの直接の管理下で、PICがすぐにコントロールを受け取れる状態であれば、ライセンスを持っていないパイロットがフライトすることも可能となっています。

アメリカでのドローンの運用がありましたらair@pawana.jpまでお気軽にご連絡ください。